2019年10月18日公開「楽園」は小さな集落を舞台に起こった事件を描いたサスペンス。
「悪人」などで知られる吉田修一氏の短編集「犯罪小説集」の2編を1つの物語に再編し、「64-ロクヨン-」シリーズの瀬々敬久監督が映画化しました。
少女失踪事件の容疑者として追い詰められる青年と、集落で村八分になり孤立を深め壊れていく男の行く末を、トラウマを抱えた少女・紡の目線中心に描かれています。
様々な立場の苦悩が描かれた本作は、映画鑑賞後もしばらく重い気持ちを引きずってしまいます…。しかしその中にわずかに「救いの存在」がありました。それが、紡の幼なじみ広呂です。
今回は、村上虹郎さんが演じた野上広呂について、そして同じく「救いの存在」となった主題歌「一縷」(いちる)についてもご紹介します。
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目次
村上虹郎が演じた紡の幼なじみ野上広呂
村上虹郎さんは「仰げば尊し」「この世界の片隅に」、TVアニメ「いぬやしき」など話題作への出演が続く若手俳優。いわゆる二世俳優で、父親は俳優の村上淳さん・母親は歌手のUAさんと個性の際立つお二人から生まれたサラブレッドです。
俳優デビュー作は2014年映画「2つ目の窓」(河瀨直美監督)でした。
また特徴としてその眉毛についてもよく触れられますw
今回の映画楽園で村上虹郎さんが演じたのは、杉咲花さん演じるヒロインの紡に思いを寄せる幼なじみ野上広呂。広呂は原作にない映画オリジナルのキャラクターで、それ以上の詳しい役どころは明かされていませんでした。
虹郎さんご自身は「天使なのか、悪魔なのか。大事な人物を演じさせて頂きました」と意味深長なコメントを残されています。
実際の役柄をご紹介する前に、ツイッターに挙げられていた虹郎さんへの感想をご紹介します。
楽園の村上虹郎に対するツイッター上の口コミ・感想
村上虹郎の演技が良かったという声
一縷の救いは、まさかの村上虹郎!原作にはない役かな。最初出てきた時は”安定の〜🙁”と思ったけど、後半むっちゃいい役。#楽園
— ☆ななたん☆ (@mayutan4649) October 23, 2019
最近虹郎くんが最後のシーンで終わること多い気がする!
楽園もさりげなくいる感じじゃなくてめちゃくちゃ印象残る役だし虹郎くんでしかできない役があるってすごい、、💭— たむたむ (@nijirorin317) October 22, 2019
楽園がすごかった、綾野剛はもちろんだけど、虹郎くんいい味出してた。飛び出したくても飛び出せなくて、それでもなにも感じてないふりをする若者だった。
— まき (@mar_0520) October 22, 2019
楽園、観に行きました!
虹郎くんの役どころがすごかった。胸がしめつけられた、、
虹郎くんのああいう姿は初めてじゃないかな。映画全体は生と死、善と悪、の対比があり、人間とは、と問いかける作品だった。母親目線でも考えさせられた…#楽園 #村上虹郎— はるた (@ic3ytNgEOMlHVqB) October 19, 2019
村上虹郎は演技に加え、唯一の「救いだった」という声も続出!
映画「楽園」
閉鎖的な限界集落における1つの真理を示した映画だと思いました。唯一、村上虹郎はこの世界での救いを象徴していて良い演技でした。
佐藤浩市の村八分にされ孤立した環境で1人佇む哀愁漂いつつも徐々に、狂気へと変化する演技が最高だ。#楽園 pic.twitter.com/2Tach30YyT— 映画のある人生が必要なんです (@sutatyan) October 24, 2019
楽園鑑賞。人間のもつ弱さに胸が痛くなる。紡の強さや広呂の存在に救われた。
私は豪士を救いたいと本気で思った。男らしさや色気溢れる綾野剛さんがとても弱い存在を体現していて凄い。
普通の存在である広呂を演じるのは
大変だったと思う。虹郎くんの新たな演技の一面が観られてよかった😊#楽園 pic.twitter.com/FQcE3TXtNR— あんどーなっつ🌈 (@andy_natsu0114) October 20, 2019
毎週映画を観ている習慣みたいなもんで観に来てしまった。
ネガティブな登場人物ばかりの中で村上虹郎の存在が唯一の光。
良い意味で期待を裏切ったキャストの演技の迫力が凄かった。
久々に陰湿な綾野剛を観たかも(・ω・) #楽園 pic.twitter.com/iKu4IrY9fI— n e c o (@cocchi_neco16) October 19, 2019
#楽園
重苦しい田舎の陰湿さ
日本は昔から監視社会だから限られた場所の話じゃなく、都会は他人に無関心と思いきやネット社会なんてまさに田舎の陰湿さそのままだし。役者さんがそれぞれ名演!
杉咲花と村上虹郎のコンビに救い。
綾野剛と佐藤浩一は力演
百家楽餓鬼も実写化希望!鈴木亮平でみたい— Kーた (@ippei2017) October 19, 2019
楽園の原作を読むべきかこのまま読まないでおくか迷う…
豪士の行動を自分の中で独自に昇華したい衝動にかられる。
愛華の事も…気になる事が最後に。
綾野剛くんの豪士。多くは語らなくても深いところで悲鳴をあげているなとわかるし紡の杉咲花ちゃんも良い。虹郎くんの広呂の存在が唯一ホッとできる— 村式部屋 (@omotenoanoko5) October 19, 2019
楽園で村上虹郎が演じた野上広呂 行動の変遷(ネタバレ有)
村上虹郎が好きです、、、
車で「送ってやるよ」をするために好きな子のチャリパンクさせたり、好きな子と同じ職場で働くために長野から東京出てきたり、、、てかもう弱ってる姿のエロさよ、、、割と立派なメンヘラなのね#楽園— 瑠花 (@ruka_unicorn) October 19, 2019
このツイートで広呂の行動について触れられています^^
1項前の感想の中にも「後半むっちゃいい役」とある通り、時が経つなかで広呂自身の変化がありました。簡単にですが、その内容をご紹介します(これはネタバレです)
野上広呂 映画での変遷
①村祭りの練習シーンで紡にちょっかいを出す。
- 「高校卒業後、地元に残ったのは自分と紡だけだ」といい接点を持とうとする
- 紡に近づくため、自転車をパンクさせ車で送ろうとする(しかし断られるw)
- 豪士(綾野剛)の車に乗って帰った紡にわざとパンクさせた事もバラす。
②村祭りの日、脇道に紡を連れていき紡にせまる。
しかし、善次郎(佐藤浩市)の犬レオに阻止されるw
③上京して青果市場で働いている紡を追いかけ、広呂も上京する。
一緒に飲みに行ったり、散歩したり。この頃には紡の気持ちにも変化有。
④生死に関わる病気にかかり闘病。見舞いに来た紡の前では気丈に振る舞う。
⑤闘病生活を乗り越え紡に快復報告「5年後生存率50%。でも生きる!」と宣言。
広呂への私の感想
最初に登場したシーンから、祭に関係する前半の広呂シーンでは正直「本当にウザイ」と思いました…(虹郎さんファンの方、ごめんなさい><)
紡の職場・青果市場まで追いかけて来た時も、私には「?」マークが浮かびましたが…後々考えると「とてもピュアな子だなぁ」と見直しました。実際、次の項で触れる杉咲花さんもコメントで嬉しかったとおっしゃっていました。
東京の街を周る2人を見て、紡に「え?この子(広呂)嫌やったんじゃないん?」とも思ったけれど、この時点で幼少のトラウマ+豪士の焼死への悲しみも持ち東京でも孤独だった紡にとっては、小さな安らぎになっていたのかなと思います。
そして、まさかの生死に関わる闘病。「え??なんで?!」とここでも思いましたが、気丈に振る舞う姿・再発の可能性に負けずに生きようとする姿は、話中でほんの少ない救いと光だなと思いました。重い苦しい気持ちだけでなく、やっと出てきた「前向き」でした。
虹郎さんは、物語における重要な役割を担ったお一人だと思います。
紡を演じた杉咲花の思い 広呂は紡にとっての救いのヒーロー
KADOKAWA文芸WEBマガジン「カドブン」に映画「楽園」公開記念として、杉咲花さんへのインタビュー記事が掲載されていました。
この中の特集記事において、杉咲さんは広呂についてこう言及されています。
広呂って名前ですし、ヒーローだと思いました(笑)。それは虹郎くんとも話したんですけど、紡は広呂に救われたんじゃないかなって。
広呂はあっけらかんとしているキャラクターだから、紡にとってはそれがコンプレックスにもなるだろうし、救いにもなるし、憧れでもあったんだと思います。
広呂が東京の青果市場まで紡を追ってきてくれたシーンは、演じながらも自分の中で嬉しい気持ちが込み上げてきました。
広呂は紡の東京での生活において特に大きな役割を果たしました。
「事件のトラウマから脱出し物語の帰結を示す」
この役目を担っている紡には、広呂はとても大切な存在でした。
救いようのない物語の中で、紡と広呂のコンビが一縷の救いを提示してくれたのでした。
RT
楽園の中でも2人のシーンが、救いで…とても好きな2人。
2人がメインの作品見たいなーー#村上虹郎#杉咲花 pic.twitter.com/aiBBGgMzUP— lavender🌷 (@lavender__sh) October 23, 2019
もうひとつの救い 楽園の主題歌「一縷」(いちる)
#楽園 観てきました。
難しかったな。
こういう事って誰にも起こりうることなのかもしれない、と一緒に苦しみながら観てた気がします。でも見てくれてる人はいる。虹郎くん演じるひろと紡の未来に光を感じ、エンドロールの歌声で一気に涙溢れました。
自分は欲張りなのかな、、と感じたな。— ゆたこ (@yayuyo0525) October 18, 2019
楽園の主題歌「一縷」(いちる)は女優の上白石萌音が歌われています。
野田洋次郎(RADWINPS)さん作詞・作曲の書き下ろし作品。
2016年公開映画「君の名は。」の主題歌カバーでも話題になったコンビです。
映画とのコラボMVも。映画の世界観の中で萌音さんが歌唱されています!
楽園の主題歌「一縷」(いちる)のコラボMV
このMVは瀬々監督の助言のもと、映画の助監督・海野敦さんが演出されたそうです。
物語が終わり なにかやりきれない重い気持ちでいる時にエンドロールでこの歌が流れてきます。上白石萌音さんの透明感ある歌声が、傷ついた人々を最後に優しく包み込んでくれるような救いに思えました。
主題歌「一縷」について主演の綾野剛さんも「全てを救い取ってくれるような、なんとか立ち上がるきっかけをもらえた」「試写でこの映画を見終わったときに『一縷』が流れて助かりました。」とコメントされています。
映画館で一縷を聴いた感想の声
ラストの一縷こそが救いだったりする🎒あぁ心えぐられた😭
✨。・゚・(*ノД`*)・゚・。✨#映画楽園 #一縷 #楽園— ★のりり★ (@noririgo) October 22, 2019
エンディング、もう少し長くしてほしかった。
一縷で心をなだめてゆく時間が、私にはもう少し必要でした。#楽園— ひとみん(不定期浮上) (@lovely_go_hy) October 23, 2019
一縷よかった…ラストの盛り上がりほんま鳥肌たつもん… #楽園
— いけふじこ (@sep10ber3) October 24, 2019
@YojiNoda1
楽園観ました
それぞれの辛さや苦悩に目を背けたくなったけど観てよかった
最後があの曲でよかった。
救われました。
全てを抱えて生きていこうと思えた
一縷を作ってくれてありがとう😌— TOMO🌸wimper (@TOMO22u) October 21, 2019
映画館でエンドロールが流れると、普段は そそくさと席を立って帰ってしまうこともありますが「楽園」は主題歌を最後まで鑑賞してゆっくり席を立ちたいと思う作品でした。
物語が訴えるメッセージは重くズッシリ残ってしまうけれど、その思いを一縷が緩和させてくれたなと思いました。とても美しい救いの曲だと思います。
まとめ:楽園の中で村上虹郎そして主題歌一縷は救いの存在だった
・映画「楽園」では苦悩を抱えた沢山の登場人物が出てくる。これは映画を見終わった後も暫くのこってしまうほどのショック
・やりきれない、救いようのないストーリー展開の中で、唯一救いを見いだせたキャラクターは村上虹郎演じる野上広呂と杉咲花演じる紡の2人
・野上広呂は紡と観客の両方を救う存在だった
・重くズッシリとのしかかった気持ちを包み込む様に最後に癒やしてくれるのが、上白石萌音の歌う主題歌「一縷」
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