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楽園で瀬々監督が原作にない紡や火祭り東京を描いた理由について

2019/10/26
 

2019年10月18日公開「楽園小さな集落を舞台に起こった事件を描いたサスペンス

「悪人」や「怒り」などで知られる吉田修一氏の短編集「犯罪小説集」から「青田Y字路」と「万屋善次郎」の2編をアレンジし、1本の物語に再構成して映画化されました。

監督は「菊とギロチン」や「64-ロクヨン-」で知られる瀬々敬久

この2編を繋ぐ存在として、杉咲花さん演じる・湯川紡中心となって描かれました。また、地方の場所を象徴する存在に伝統的な火祭りや、地方で起こった2つの事件に加え紡を介して東京での場面も描かれています。全て原作にない設定です。

瀬々監督映画化の為に加えた火祭り東京を加えた理由について監督のインタビュー記事や放送を元に少し考察も加えてまとめました。この内容についてご紹介します。

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原作にない杉咲花演じる紡を中心に描いた理由

「青田Y字路」「万屋善次郎」2つの原作を繋ぐ人が必要であったため、「青田Y字路」に登場した少女・紡をキャラクターにして結びつけたそうです。

佐藤浩市さん演じる田中善次郎(妻に先立たれる)や、柄本明さん演じる藤木五郎(孫の愛華が失踪する)大切な人に残され苦悩する役柄。これらの苦悩を代弁するのに紡という少女を作り出したそう。

また、は綾野剛さん演じる中村豪士(海外から母と移り住み人種差別を受け続ける)と出会い彼の優しさに触れたことで互いの不遇を共感しあっていく場面もあります。

「愛華ちゃんが死んで自分が生き残っている」

(同じく苦悩を背負った)紡を中心に描き、彼女がトラウマから脱出していくことで物語が帰結すると瀬々監督は考えたそうです。

重い物語の糸を紡いだ中でも最後に一縷の希望を見いだすための存在でした。

紡役の杉咲花さんは、彼女の抱えるトラウマ・後悔・罪悪感といった複雑な思いを繊細に見事に演じきられました本当に見事でした。

原作にない東京の様子を描いた理由

瀬々監督が吉田さんの原作を面白く感じた理由は「生きている場所が克明に描かれていて、そこでの人々の営みが描かれている」こと。そこが興味深くシンパシーを感じたそうです。

そして互いに九州出身で、「東京じゃない場所を舞台にして描かれる」地方から出てきた者の感性も自分と共通していると思いました。

けれど、瀬々監督としては東京の話を入れたかったのだそうです。日本全部を描くには、地方だけでなく東京を入れることで成立すると考えるからだと語られていました。

映画化の原案にはもう1編ありました。お蔵入りになった「曼珠姫午睡」は東京近郊の話。監督の案ではこの編を間に挟もうと考えていたそうです(吉田さんとの話し合いで現在の2編に)。

この部分を紡が途中に東京に行くという設定(上京して新宿の青果市場で働く)で描かれました

原作にない火祭りを描いた理由

瀬々監督は火祭りに興味があり10年くらい前に調べて祭りを見に行ったそうです。かなり印象的で、この火祭りをいつか映画にしたい思いがあったそうです。祭りを見に行った際に限界集落も探したなど、当時から土地と祭りに惹かれていたそうです。

それが長野県飯山市で毎年秋に行なわれている奈良澤神社の火祭り大天狗の舞

実在する伝統の火祭りを、映画のために奈良澤地区の方々に再現していただいたそうです。

天狗は猿田彦の化身で、天孫降臨の神話でニニギノミコトの水先案内人として立ち振る舞ったと言われ、火を振りかざすのと同時にしめ縄も刀で切り落としていく。

監督は結界を切って先へ進むということが作品の内容に近いとも思ったそうです。

小学生の男子が舞う「なぎなたの舞」、はたき天狗と弓天狗が舞う「天狗の舞」など祭りや練習シーン地方という場所を象徴する物語の一部に。そして、巨大な松明(たいまつ)が舞う「大天狗の舞」は…豪士の自死シーンにリンクされていました。

楽園に登場した実在する火祭り「大天狗の舞」について

実際のお祭りについても調べてみました。

飯山市内では各地で五穀豊穣や家内安全を祈る秋祭りが盛んに行われます。集落ごとに獅子舞・なぎなた・踊りなど、それぞれ違った伝統的な舞踊が奉納され、年に一度の賑わいを見せるそうです。

その一つ奈良澤の集落で開催される火祭りは、毎年9月中旬の土日に行われます。
祭りの中で奉納される「大天狗の舞」では長さ2m50cmもの太い松明を豪快に振り回す舞とのこと。舞った火の粉にあたると良いことがあるともされているそうです。

祭りは、地域の人々が文化を大切に守り続けてきた誇りを感じとることができるその土地の象徴なのですね。

実際の映像は物凄い迫力です!!

撮影現場をツイートされた写真の右奥に小さく村上虹郎さんが写っていました!
虹郎さんは杉咲花さん演じる・湯川紡に想いをよせる幼馴染み・野上広呂役で祭りにも参加していたからですね。同じくオリジナルキャラの虹郎さんの役どころについては別ブログで。

まとめ:紡や火祭り東京が描かれたのは物語を繋ぐ役目と監督の拘り

紡は2つの原作を繋ぐ役目苦悩を代弁するために設定された。また、最後に一縷の希望を見出すための存在でもあった

日本全体を描くには地方だけでなく東京も併せて描く必要があると監督が考えた

奈良澤の火祭りをいつか映画にしたい思いがずっと監督にあった

 

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